「教育虐待」を受けた娘が母親をバラバラにした事件から

2023/10/08

アンフィニの青柳です。
今日、皆さんの心の天気はいかがですか?

さて、今回は「教育虐待」について。
皆さんは、勉強ってどんなものだと感じますか?
よいこと?わるいこと?

殆どは、"勉強"というものを
"よいこと"として認識します。
つまりは正しいことなのです。

勉強をたくさんすることで、叱られる子はいないでしょうし、
勉強をさせる親も、自分を咎める気持ちになることはなく、
正しいと思って指導します。

果たして、その正しさを手にすることは、
問題ないのでしょうか?
『滋賀医科大学生母親殺害事件』から考えてみましょう。

◆教育虐待を受けた娘が起こした事件

2018年1月、桐生のぞみ被告(当時31歳)は母親と二人暮らし。
うたた寝の母親を殺害し、のこぎりで死体をバラバラにして遺棄しました。
胴体以外は燃えるゴミとして処分しましたが、胴体は河川敷に埋めました。

河川敷にカラスがたかっていることで、不審に思った近所の住民が発見し、
事件が発覚しました。
懲役10年の判決が出た事件です。

犯人の桐生のぞみは、母との関係から嘘をつくことに慣れ、
しばらくは嘘をつき通していました。
裁判でもです。

殺したとき、Twitterに言葉を残します。
「モンスターを倒した。これで一安心だ。」と。

ここまでを聞いただけでは、
なんという残酷な娘なんだろうと思ってしまうでしょうね。

◆母親が拭い切れなかった劣等感コンプレックス

母親の母はアメリカ人と結婚し渡米して、裕福な家庭を築きました。
一方自分は、高卒で叔母に育てられ、
自分の学歴や立ち位置に強いコンプレックスを持っていたとされます。

そのコンプレックスは、娘に向けられました。
小学生の頃、漫画『ブラックジャック』に感動して、
「お医者さんになりたい。」と言ったことをきっかけに、
母親の教育の方向は「医学部」にロックオンされました。

そこそこ成績が良かった娘でしたが、
だんだんと勉強が苦痛になって、思うように成績が伸びず、
自分の身の丈に合った進路を選ぼうとしましたが許されませんでした。

最終的には看護師の道で許されましたが、
助産師の資格を取るという条件付きのことでした。

◆母親が娘にしてきたこと

母親は家庭内では一度感情が爆発すると、歯止めが効かず、
とにかくすざまじい勢いで罵倒をするタイプでした。

□父親は母親に耐えられず、別居する
□節約家で娘の時間配分を管理
□お風呂は20代まで一緒に入らされる
□携帯電話は管理される
□家出をすると探偵を雇って連れ戻される
□最初の大学入試の不合格は、娘から親戚に嘘をつかせる
□9年間浪人させられる
□偏差値で足らない回数を鉄パイプで叩かれる
□意にそぐわないと「お前のせいで人生めちゃくちゃだ!」とメッセージを連打
□看護師になって母親の望む資格を取らないと「あんたに不幸にされた!」と外で土下座させる
□内緒で持っていたスマホを叩き壊される
□母親が寝る前に眠くなるまでマッサージを娘にさせる

もうめちゃくちゃですよね。
娘が31歳になるまで、母親の支配は続きました。
その間何度か家出しても連れ戻されたそうです。

◆「教育虐待」という正しさの刃

人間は、正しいと思ったことは、
人を罰してもいいと感じる"能力"を進化の過程で身に着けました。

親が子供に教育するというのは、
一見善行ですが、度が過ぎれば悪行です。
以下のようなことありませんか?

□習い事は親の意向が主
□親の意見に反する意見は聞かない
□友達付き合いを制限する
□テストは満点以外の場合、叱咤する
□叱る際に、人格否定や存在否定する
□兄弟や同級生と比較する
□結果を重視し、過程の取り組みは褒めない
□かかった経済的な金額を明示して責任を感じさせる
□子供の人生が自分の夢を叶えるものと勘違いする

親は子供にとって、価値観を形成する基準となります。
ある意味、「過程」という閉鎖的な宗教のもと、
親は教祖のように力を持ってしまうことがあるのです。


◆親と子は別な存在であるということ


当たり前なのですが、親子であっても、
別の人間であり、親が子の人生を歩めるわけではありません。

学歴はあくまで人生の選択肢の一つに過ぎません。

親が子のことを想うのは当たり前かもしれませんが、
「支配」するとなるとそれは別の話です。

子供の人生を支配するのではなく、
もう少しだけ涼しい人間関係であることが必要で、
子供の人生だからといって、土足で上がっていいものではないのです。



いつも有難うございます。


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